研究課題/領域番号 |
11450365
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
塩見 友雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10134967)
|
研究分担者 |
竹下 宏樹 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (80313568)
竹中 克彦 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (30188205)
|
キーワード | ブロック共重合体 / 結晶化 / ミクロ相分離 / 結晶-非晶繰り返し構造 / ポリエチレングリコール / ポリスチレン / ポリブタジエン |
研究概要 |
結晶性-非晶性成分から成るブロック共重合体のミクロ相分離構造場からの結晶化と生じた高次構造の特性を、(1)ミクロ相分離が強い偏斥下にある系と(2)弱い偏斥下にある系について、検討した。(1)について、ポリスチレン-block-ポリエチレングリコール-block-ポリスチレン(PSt-PEG-PSt)トリブロック共重合体を用いて検討した結果、結晶化度、融点ともPEGドメインがラメラからシリンダー状になる組成で不連続的に低下し、PEGドメインが島状である場合は結晶化が認められなかった。また、結晶化の見かけの活性化エネルギーは、シリンダー状以下の組成において非常に大きい値であった。小角X線散乱(SAXS)により評価された結晶化試料の高次構造は、融体中でPEGドメインが海状ミクロ構造である組成においては結晶-非晶のラメラ状繰り返し構造であり、シリンダー状組成においてはシリンダードメインを保持したままその中で結晶化している構造であった。(2)については、PEGとポリブタジエン(PBd)を成分とするジブロックおよびトリブロック(PBd-PEG-PBd)共重合体を用いて検討された。結晶化度、融点、結晶化の見かけの活性化エネルギー等の観察の結果、結晶化によって融体中のミクロ構造が破壊される本系においても、結晶化がミクロ相分離構造に影響されることが明らかになった。また、ジブロックとトリブロック共重合体の全結晶化速度の比較により、ミクロ相分離中のコンホメーションが結晶化に影響を与えることも示唆された。SAXSにより高次構造を解析した結果、PBdドメインがシリンダー状であっても、結晶化試料の結晶-非晶繰り返し構造はラメラ状であり、その試料の融解直後のミクロ相分離構造もラメラ状であった。
|