研究課題/領域番号 |
11450365
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
塩見 友雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10134967)
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研究分担者 |
竹下 宏樹 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (80313568)
竹中 克彦 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (30188205)
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キーワード | ブロック共重合体 / 結晶化 / ミクロ相分離構造 / 結晶-非晶構造周期 / ポリエチレングリコール / ポリブタジエン / ポリエチレン / ポリスチレン |
研究概要 |
結晶性-非晶性ブロック共重合体のミクロ相分離構造下からの結晶化によるミクロ相構造の再構成について、(1)融体中のミクロ相分離が弱い偏斥下にある場合と(2)強い偏斥下にある場合において、シンクロトロン放射光からの小角X線散乱法(SR-SAXS)により検討した。(1)においては、ポリエチレングリコール(PEG)とポリブタジエン(PBd)を成分とし、PEG成分が70%(BE70)、57%(BE57)、51%(BE51)および34%(BE34)のジブロック共重合体を用いた。融体中でラメラ状ミクロ相分離構造を呈したBE57とBE51においては、結晶状態においても結晶-非晶層のラメラ繰り返し構造を示したが、結晶化過程において結晶-非晶繰り返し構造に基づくピークの出現・発展とともにミクロ相分離構造に由来するピークが消失し、高次構造が再構成されることが示唆された。融体中でPEG成分がマトリックス状に存在するシリンダー構造を示したBE70は、低い結晶化温度においては結晶状態でもシリンダー構造を示し、高い結晶化温度ではラメラ構造を形成した。一方、BE34では融体中でPEGがシリンダードメイン内にあるミクロ相分離構造を示しそこからの結晶化は全結晶化温度でその構造を維持したまま結晶化した。以上のように、弱い偏斥にあるミクロ相分離構造下からの結晶化においてもミクロ相分離構造や結晶化温度によっては、融体中のミクロ相構造を維持したまま結晶化することが明らかになった。(2)の系としてポリエチレン-ポリスチレンブロック共重合体(SE)を用いて検討した。この場合、結晶化においても散乱曲線のピーク位置は全く変化せず、融体中のミクロ相分離構造内で結晶化することを示した。
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