研究課題/領域番号 |
11450366
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
白井 汪芳 信州大学, 繊維学部, 教授 (80021153)
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研究分担者 |
木村 睦 信州大学, 繊維学部, 助手 (60273075)
英 謙二 信州大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60126696)
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キーワード | 金属錯体 / 配位高分子 / 配位子 / 分子接合 / 超分子化学 / ナノテクノロジー |
研究概要 |
精密な分子設計により架橋配位子およびモノマー配位子を合成し、これらを用いて新規な形態を持つ配位高分子および分子集合体を合成した。金属イオンと配位子とが形成する配位結合や分子間のファンデルワールス力を利用することによって、次元制御されたナノメートルオーダーの構造体をえることができた。同一分子内に内に長鎖アルキル基とディスク状の化合物を含む新規な金属錯体を合成し、自己集合化を行ったところ数マイクロメーターの長さを持つナノ繊維が得られることを明らかとした。このナノ繊維内には、金属錯体の秩序だった配列が観察され、この配列を用いた電子伝導についても検討を行った。さらに、ディスク状金属錯体の自己集積化により1次元の集積体を得られ、さらにこの集積体周辺に無機物の壁を構築することによって、新規な有機・無機複合体を得られることを明らかとした。この有機・無機複合体中では、ディスク状化合物のカラムが多数含まれこのカラムを無機の壁が覆った新規な構造であることを種々の機器分析より明かとした。3次元形態を持つデンドリマー内に金属錯体を導入することにより、高効率なエネルギー移動・フラーレンに対するホスト能・および基質の形や大きさを認識する選択的な触媒能などを得られることがわかった。適当な分子設計により1次元的な繊維状組織を得ることができたことから、新規な分子ワイヤーへの応用が考えられ、今後これらの配位高分子群を用いた分子接合デバイスへの展開を行う予定である。
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