• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

高分子溶液における拡散と粘弾性緩和のカップリングに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11450368
研究機関奈良女子大学

研究代表者

栄永 義之  奈良女子大学, 理学部, 教授 (70028257)

キーワードポリメタクリル酸メチル / レシチン / ヘキサエチレングリコールドデシルエーテル / 界面活性剤 / 静的光散乱 / 動的光散乱 / 拡散係数 / ゴム弾性率
研究概要

本年度の研究実績は以下の3項目である.
項目1:
アタクチックポリメタクリル酸メチル(a-PMMA)のアセトン準濃厚溶液について,動的光散乱測定から散乱光強度の自己相関函数を得,我々独自の方法でデータ解析を行って相互拡散係数,摩擦係数,ゴム状平坦弾性率等を求めた.その結果,a-PMMA溶液のゴム弾性率はポリスチレンやポリブチレンの比べて低いことが判明した.これは高分子鎖の固さが反映した結果であると考えられる.
項目2:
両性界面活性剤であるレシチンはシクロヘキサン(CH)中で球状の逆ミセルを形成し,水を加えるとミセルは球状から屈曲性をもつ円筒状,さらには高分子状(紐状)へと変化する.このミセルの形態及び形成メカニズムを調べるため,静的光散乱測定から浸透圧縮率L_πを,動的光散乱測定から相互拡散係数Dを求めた.レシチン-CH2成分系における稀薄領域では,ミセルの見かけの大きさはレシチン濃度ωによらずほぼ一定であったが、高濃度ではωとともに増大した.レシチン-CH-水3成分系について,DとL_πより,レシチンあるいは水の含量が大きくなるにしたがってミセルの見かけの流体力学半径が大きくなっていくことが分かった.
項目3:
ヘキサエチレングリコールドデシルエーテル(C_<12>E_6)は非イオン性界面活性剤で,水中で様々な形のミセルを形成するが,相分離境界に近い高温で高濃度ではミセルは高分子状となる.C_<12>E_6-水系の相図について得た曇点とバイノーダルのデータ点はほぼ重なっており,ミセルの形やサイズの分布が予想されるにもかかわらず,この系が2成分系として取り扱えることが分かった.静的および動的光散乱測定から得た浸透圧縮率と相互拡散係数から求めたミセルの見かけの流体力学半径は濃度の増加あるいは温度の上昇とともに増加した.

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi