平成11年度の研究計画に記載した下記の3項目について、ほぼ予定通りに実施できた。 (1)動的赤外分光システム光学系の改良と各種機器定数の厳密決定 システム光学径の改良後、光学系の異方性(光源の異方性、偏光子の偏光度、偏光変調器の吸収異方性、分光器の吸収異方性)に関する機器定数決定のための解析理論式を構築し、その解析理論に基づく光学測定を行い、光学系各種光学異方性機器定数の厳密決定を行った。 (2)静的赤外分光測定と動的測定データの計算機シミュレーション セグメント化ポリウレタンウレアを用いて、静的延伸配向状態での赤外分光測定を行い、静的データより得られる各吸収バンドの最大吸収強度、吸収バンド位置、ならびに吸収バンド巾の延伸比依存性より動的測定データを計算機シミュレーションを行った。その結果、動的フィルム厚変化は体積一定変形で近似できることが確認された。 (3)吸収強度、吸収バンド位置、ならびに吸収バンド巾の動的変化などを分離定量評価するための解析評価技法の開発 赤外吸収スペクトルの動的変化を個々の吸収バンドの最大吸収強度、吸収バンド位置、吸収バンド巾、ならびにフィルム厚の動的変化の線形和と近似した分離定量評価解析理論式を構築し、データ解析プログラムの開発をほぼ完了した。
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