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2000 年度 実績報告書

動的赤外分光法による高分子材料の分子凝集構造解析に関する定量評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 11450370
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

野村 春治  京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (10026073)

キーワード動的赤外分光法 / 赤外吸収二色性 / 赤外光学系の異方性 / 分子運動 / 凝集構造 / セグメント化ポリウレタンウレア
研究概要

前年度の研究結果を基にして、平成12年度以降の研究計画に記載された「セグメント化ポリウレタンウレアの動的赤外分光測定と各種動的寄与の分離定量評価」ならびに「セグメント化ポリウレタンウレアの動的赤外分光学的解析とその分子動力学的解釈」を行った。
ここでの最大の成果は、セグメント化ポリウレタンウレアの動的赤外分光測定結果のデータ解析において、動的二色差スペクトルのみならず、動的平均吸光度スペクトルを用いることにより重要な結論が得たことである。
ハードセグメントとソフトセグメント中の、各々、ウレアカルボニル基ならびウレタンカルボニル基に起因する吸収バンドを含む波数領域(1800〜1550cm^<-1>)で測定された種々のスペクトルにおいて、セグメント配向を表す二色差の動的スペクトルと静的スペクトルの両者の形状は相似的であるが、水素結合をしたカルボニル基の濃度に関係するウレアならびウレタン吸収バンドの動的および静的平均吸光度スペクトルには大きな相違があり、特に、ハードセグメント中のウレアカルボニル基の動的変化量が大きく、動的歪みにより、ハードセグメントのウレアカルボニル基の水素結合が切断していることを意味している。すなわち、ハードセグメントドメインへの応力の伝達は、高分子鎖方向からではなく、高分子鎖に垂直な水素結合したカルボニル基の結合方向からなされていることを意味している。これが、セグメント化ポリウレタンフィルムの静的変形により観察される変形軸に垂直なハードセグメント配向を示す要因である。この研究結果に関しては、現在、投稿中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Shinichi Sakurai: "Structure and Properties of Segmented Poly (urethaneurea)s with Relatively Short Hard-Segment Chains."J.Polym.Sci.,Part B,Polym.Phys.. 38. 1716-1728 (2000)

  • [文献書誌] 岡本好弘: "セグメント化ポリウレタンウレアキャストフィルムのくり返し延伸にともなう高次構造変化の研究"Polymer Preprints, Japan. 49. 525 (2000)

  • [文献書誌] 野村春治: "動的赤外分光法による高分子構造の解析"Polymer Preprints, Japan. 49. 2281-2282 (2000)

  • [文献書誌] Lameck Banda: "Local Motions of Polytetramethylene Glycol in Concentrated Solutions of Segmented Polyurethaneurea"Fiber Preprints, Japan. 55・1. 63 (2000)

  • [文献書誌] 楓一樹: "セグメント化ポリウレタンウレアフィルムの高次構造制御(I)-軸延伸によるハードセグメントの再構築"Fiber Preprints, Japan. 55・3. 6 (2000)

  • [文献書誌] 楓一樹: "セグメント化ポリウレタンウレアフィルムの高次構造制御(II)-軸延伸定長固定下での熱処理によるハードセグメントの再構築"Fiber Preprints, Japan. 55・3. 7 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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