研究課題/領域番号 |
11450373
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
林 壽郎 大阪府立大学, 先端科学研究所, 教授 (90026089)
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研究分担者 |
平野 義明 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (80247874)
岡 勝仁 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助教授 (70203966)
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キーワード | 周期性ポリペプチド / ペプチド合成 / プロリン / 反復アミノ酸配列 / 分子力学計算 / コンホメーション / 円二色性 / ヘリックス |
研究概要 |
本研究は、周期性タンパク質の反復アミノ酸配列部分の三次元構造を明らかにするために、第一歩としその反復アミノ酸配列部分をモデル化したポリペプチドの合成と、その三次元構造解析を試みる。具体的には、プロリンを重要成分として含む種々の一次構造制御型ポリペプチドを合成し、合成したポリペプチドの単一分子、および会合体としての三次元構造の理論的、実験的解析を行うのが目的である。 本年度は、プロリンを重要成分として含む一次構造制御型ポリペプチドの合成と理論的構造解析を行った。先ず、周期性ポリペプチドとしてpoly(Xaa-Pro)、poly(Xaa-Pro-Pro)、Poly(Xaa-Pro-Pro-Pro)、およびpoly(Xaa-Pro-Pro-Pro-Pro)の液相法、固相法を併用して合成を試みた。Xaa残基は、疎水性残基として、Ala、Leu、Val、Pheを、酸性残基としてGluを、塩基性残基としてLysを、水素結合性残基としてSer残基をそれぞれ選択した。さらに長波長領域でのCDスペクトルを構造解析の手段として、上記の各周期性ポリペプチドの特定のXaa残基をTrp残基に置換したポリペプチドの固相合成を試みた。 一方、分子力学計算に基づく構造最適化により、分子内相互作用の範囲で安定なヘリックス構造の集団に関するデータに基礎として、2分子および3分子からなる分子間会合体の構造最適化を試みた。それぞれの会合様式の相対的安定性に対する側鎖原子団の寄与についての役割をさらに明確にするため、(1)で挙げたXaa残基以外のアミノ酸についても同様の解析を試みた。また、Trp残基の側鎖発色団の遷移モーメントに由来するCDスペクトルについて、構造最適化により得られた安定構造の座標値を用いて、量子化学計算に基づく理論計算を試みた。
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