研究課題/領域番号 |
11450374
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
上條 謙二郎 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (90282003)
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研究分担者 |
辻本 良信 大阪大学, 基礎工学研究所, 教授 (50112024)
徳増 崇 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (10312662)
尾池 守 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (70292282)
山田 仁 航空宇宙技術研究所, ロケット部, 室長
田村 洋 航空宇宙技術研究所, ロケット部, 室長
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キーワード | 空気液化 / ロケットエンジン / 熱交換器 / 液体水素 / 液体空気 / 二相流 |
研究概要 |
本研究は完全再使用型宇宙輸送系の研究開発に資するため大気中飛行時の比較的低速度域における推進系に空気液化サイクルエンジン(Liquid Air Cycle Engine:LACE)を用いるロケットベース複合エンジン(Rocket Based Combined Cycle:RBCC)を対象として、LACEのキーテクノロジーと考えられる空気液化・分離技術の確立を図るとともに、このロケットベース複合エンジンを用いる宇宙輸送システムの最適化に必要となるLACE性能の同定法の確立を目的とする。 既存技術レベルに基づいて試作した小型高性能熱交換器を用いて、液体水素で窒素(空気を模擬)を液化する試験を広範囲な条件下で行い、数値計算モデルの構築に必要なデータを取得した。LACEの比推力(Isp)を予測する方法として液化部の温度効率ならびに予冷部の温度効率を用いるのが極めて有効であることを明らかにした。またタービン駆動を燃焼室冷却後の水素ガスで行う基本LACEシステムにおけるIspの値はマッハ数1〜3.5の範囲で800秒〜1,000秒程度である。さらに高い比推力を得るには過冷却液体水素を用いて空気液化率を高めることが有効であること、また主燃焼室燃焼ガスを抽出して利用するタップオフサイクルがタービン駆動ガス量を減じることができIspを高めること、などを明らかにした。 またLACEを対象とした超音速インテークの最適化に関する基礎データを取得するため、2形式(タイプI,II)の供試体の実験と解析を行った。タイプIの場合、短い距離で減速・加圧は行えるが、全圧回復は小さく始動性が悪い結果を得た。タイプIIでは大きな全圧回復が行え始動性もよいが、減速・加圧を行うのに長い距離が必要であった。LACEに組込むインテークは上記の長短を考慮して設計を行う必要性を明確にした。
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