研究課題/領域番号 |
11450376
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
航空宇宙工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 宏二郎 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (10226508)
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研究分担者 |
綿貫 忠晴 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00182965)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 再使用型宇宙輸送システム / 垂直離着陸ロケット / 垂直着陸 / ノズル流 / 噴流 / 地面効果 / 衝突噴流 / 数値流体力学 |
研究概要 |
単段式再使用宇宙輸送システムの一形式である垂直離着陸型ロケットでは、着陸時にロケットを逆噴射し、機体底面から地面に垂直に降下する。本研究の目的は、その際に噴流の地面効果が起こす空力的問題点とその原因、対策を示すことであり、実験および圧縮性ナヴィエ・ストークス方程式の数値解析の結果から以下の点が明らかになった。 1.地面への衝突噴流が誘起する流れにより機体底面圧力が低下し、下向き空気力が発生する。その力は地面に近づく程増大し、ついにはノズル推力を上回り、逆噴射中にもかかわらず機体が地面に引き寄せられてしまう。 2.底面圧力の低下度合は機体下部の流れ構造に依存し、地面から底面までの距離が大きいと底面外縁から周辺空気を吸込む「吸込みモード」に、小さいと強い渦が形成され底面圧力が大きく低下する「渦モード」になる。 3.地面に衝突する噴流では界面の剪断層の振動により渦が発生する。「吸込みモード」と「渦モード」の発生は、この渦が地面に衝突してはね上がった際に、機体底面に衝突するか否かによって、区別される。 4.下向き空気力を低減するには、機体底面外縁を削ることや地面にラフネスを与えることが有効である。 5.複数のロケットエンジンを持つマルチノズル機体は、噴流同士の干渉が起こるため単一ノズルの機体に比べて下向き底面空気力が小さく、垂直着陸ロケットの着陸安全上、好ましい推進システムである。 6.プラグノズルを用いた垂直着陸ロケットにおいても、地面に近づくと機体底面下に渦が形成され下向き空気力が発生するが、一方、プラグ底面では圧力上昇が起こるため、下向き空気力は小さい。 7.地面近傍での下向き底面空気力の発生は、降下速度の制御を困難にする。機体の着陸安全のためには、機体制御に十分な注意を払うとともに、4のような下向き底面空気力の低減策をとる必要がある。
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