研究概要 |
総括 これまでの計算結果から,スワールバーナのスワール数を変化させることで火炎の最高温度が変わることを見いだした.サーマルNOxの生成が火炎温度に依存することから,スワール数を変えることでNOx生成を制御できると予測している.次年度はその検証計算・検証実験を行う予定である. 計算 当初,乱流モデルとしてk-e,q-w,応力方程式の各モデルを用いる予定であった.しかしk-eモデルやq-wモデルでは,旋回流れで生じるとされる逆流領域を捉えることができなかったため,今後はこれらのモデルを用いないことにした.一方,応力方程式モデルを用いるよりもLESによる非定常計算を行うほうが燃焼流れ場の正確な情報を得られると判断し,LESの計算コードを開発した.レイノルズ平均の乱流モデルではなくLESを用いてはじめて,旋回流れで生じる逆流領域を捉えることに成功した. 軸流速度5m/secの拡散火炎においてスワール数を変化させた結果,旋回を強くすると大規模な逆流域を生じ,逆流域に未燃燃料が滞留して燃焼が抑制され火炎が伸長することが分かった. 計算2 旋回流れの発生機構としてLobedミキサとSawtoothミキサを取り上げ,燃料・空気混合器としての性能を評価した.Sawtoothミキサのほうが混合率が高いが,同時に圧力損失も大きいことが分かった. 実験 スワール数可変のバーナを新たに設計・製作した.3月中に測定装置(NOx分析計,ガスクロマトグラフ,熱電対,LIF)の予備試験を終える予定である.
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