研究概要 |
マイクロバブル発生技術による船舶の乱流摩擦抵抗軽減に関する研究において以下の実績を得た. (1)小型で省エネルギータイプのマイクロバブル発生装置を開発し,その性能を明らかにした.とくに,海水マイクロバブルの物理化学的特性を明らかにし,その気泡径と発生量を計測した.また,海域でのマイクロバブルの流動状況を観察した.さらに,マイクロバブルの電位特性,pH変化特性において重要な性質を見出し,それらと海洋生物の生理活性についての相互関係を系統的に検討した. (2)船舶航行における抵抗増大の因子となる舟艇への付着生物がマイクロバブルで除去される,さらには未付着させ得ることを見出した。 (3)船舶模型を制作し,その流水抵抗計測システムを構築した.マイクロバブルでをその抵抗軽減が可能であることを明らかにした.結果的に,わずかなマイクロバブルの壁面への付着と流動で数十%の抵抗軽減が可能であることが明らかになり,今後,マイクロバブルの発生量を増やし,それを舟艇付近で注入することで大幅な抵抗軽減の可能性があり得る展望を得た.
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