研究課題/領域番号 |
11450393
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田路 和幸 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10175474)
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研究分担者 |
高橋 英志 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90312652)
篠田 弘造 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10311549)
バラチャンドラン ジャヤデワン 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80261593)
粕谷 厚生 東北大学, 学際科学研究センター, 教授 (10005986)
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キーワード | ZnS超微粒子 / 光触媒 / ストラティファイド光触媒 / 水素生成反応 |
研究概要 |
我々は、天然のプロセスを利用した新しい触媒調製方法を見出し、結晶性の良い超微粒子をストラティファイド構造に配列させた光触媒を設計・開発した。ZnSストラティファイド光触媒はZnOを前駆物質として、この方法により調製された光触媒である。ZnSストラティファイド光触媒は粒径5nmのZnS超微粒子がカプセル状に配列した構造をもつ粒子で、紫外線照射下において高い反応活性を示し、水素を生成した。 平成11(8160)1612年度はZnSストラティファイド光触媒について各種高性能分析装置を効果的に用いて評価し、高い反応活性を示す要因を追求するとともに、反応効率の改善ならびに可視光領域への増感を目指してきた。 平成13年度は、前年度まで蓄積してきたZnSストラティファイド光触媒の分析・評価結果を元に、可視光に応答性をもつCdS、PbS、FeS2などの素材についてストラティファイド光触媒の開発を行った。その結果、CdOを前駆物質としたCdSストラティファイド光触媒の開発に成功した。CdSストラティファイド光触媒は可視光領域において高い反応活性を示し、太陽光の照射下における水素の生成を可能にした。このCdSストラティファイド光触媒において、所有する透過型電子顕微鏡・フォーカスドイオンビーム加工装置やX線回折装置等により、分析・評価するとともに、実用化に向けたアセスメントならびに水素生成システムの設計を行った。また、反応活性のさらなる向上を目指し、前駆物質ならびにCdS生成における反応物質の組み合わせを検討した。その結果、ストラティファイド微粒子ならびにその構成粒子の微小化に成功し、さらに高活性な光触媒材料を得るに至った。 今後の目標として、水の完全分解を目指し、反応溶液中の硫黄の回収ならびに回収硫黄を用いた水熱反応による反応溶液の再生、硫化水素生成細菌を利用した反応溶液の再生についての検討を行う予定である
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