研究概要 |
SLG29,SRK29のflanking regionについて、RNA gel blotによる発現解析を行ったが、SP11の転写産物に対応する大きさのものは検出されなかった。さらにS29ゲノムライブラリーから、S遺伝子座に強く連鎖しているSP2,SP4,SP7をprobeにしてゲノムクローンを単離した。今後は、SLG,SRKのflanking regionをprobeとしてchromosome walkingするとともに、得られたgenome cloneを用いた発現解析から、SP11遺伝子の単離を行うことを計画している。 SLG9/SRK9/SP11-9導入シロイヌナズナの系統を交配し、SLG9/SRK9の両方を持ついくつかの系統を作出した。この系統を雌しべ側とし、SP11導入系統の花粉を交配した場合に、特定の個体において、花粉管の侵入が抑制される交配組合せが見られた。現在、この現象がこの交配組合せにおいて、確実に起こるか確認するとともに、次世代における遺伝性の実験も行っている。 SP11-9のC末にHis-tagをつけたconstructをCaMV-35S promoterで制御したものを、シロイヌナズナに遺伝子導入したが、RT-PCRにより発現は確認されるものの、Histag抗体によりタンパク質の発現は確認されなかった。 SP11を柱頭でSLG/SRKと共発現させると、恒常的に自家不和合性反応が起きるのではないかと考え、SP11-52遺伝子をSLGのプロモーターで制御したconstructをS52系統に導入する実験を開始した。現在、シュート再生を行っており、次年度秋にはその表現型の確認を計画している。
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