研究課題/領域番号 |
11460003
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
北野 英己 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (50144184)
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研究分担者 |
松岡 信 名古屋大学, 生物分子応答研究センター, 教授 (00270992)
魚津 桜子 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (10293713)
服部 一三 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (40023494)
片山 義博 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 助教授 (10214339)
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キーワード | 矮性 / 突然変異 / 節間 / 遺伝子単離 / 植物ホルモン / 形態形成 / イネ / 発育生長 |
研究概要 |
本研究は、イネの節間の形成過程と伸長に関わる多数の突然変異体を用いて、それらの原因遺伝子の単離と作用機作を解析することによってイネの重要形質である伸長茎形成における遺伝的制御機構を明らかにしようとしたものである.本年度までに得られた具体的成果は以下のようである. 1.多数の突然変異体の節間伸長パターンの変異に注目して解析を行った結果、各節間に特異的に作用する多数の遺伝子変異が認められた.また、これらの変異体の組織形成過程を解析した結果、細胞の分裂と伸長の他に特定の組織の分化に特異性を示すことによる制御機構が存在することが明らかとなった(北野、魚津). 2.節間形成に異常を示す変異体の原因遺伝子であるd50遺伝子、PAL遺伝子制御系が関与する代謝過程に特異的な作用を及ぼしていることが明らかとなったが、本年度は、この突然変異体の特異的作用性を利用してPAL制御経路にかかわる遺伝子を単離、同定した(片山). 3.また、分子マーカーを用いて上記変異体遺伝子のマッピング作業を進めた結果、本変異体遺伝子は第2染色体上の長腕側53.5〜57.3cM付近に座乗することが明らかとなった(北野、服部). 4.ジベレリン(GA)非感受性の極矮性変異体(gidl)の単離に成功し、この変異体を用いて分子生物学的解析を行うことによりGAシグナル伝達における本遺伝子の機能を推定した(松岡). 5.ブラシノステロイド(BR)の節間形成及び伸長に及ぼす影響を調べるため、BR関連突然変異体の同定方法を開発して多数の候補系統を同定するとともに、他の植物種で得られている既知のBR関連遺伝子の情報をもとにイネから多数のBR関連遺伝子を単離し突然変異体との対応関係を調査した結果、BR合成に関わる新たな遺伝子(OSDWARF)の同定に成功した(魚津、松岡、北野).
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