研究課題/領域番号 |
11460008
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
天野 高久 京都大学, 農学研究科, 教授 (40202692)
|
研究分担者 |
松井 勤 京都大学, 農学研究科, 助手 (70238939)
井上 博茂 京都大学, 農学研究科, 助手 (40260616)
稲村 達也 京都大学, 農学研究科, 助教授 (00263129)
山本 卓司 京都大学, 奈良農試, 主任研究員
|
キーワード | 穎花数 / 水稲 / 窒素吸収量 / 窒素発現量 / ハイブリッド品種 |
研究概要 |
本年度は、土壌からの窒素発現量の異なる3地点(中国四川省攀枝花市仁和地区仁和鎮、同平地鎮、京都大学附属高槻農場)における地力窒素の穎花生産への利用を水稲の多収水準において解析した。 施肥窒素の吸収率は四川省2地点と高槻とも約40%と差がないが、成熟期までの総窒素吸収量は四川省2地点が高槻よりも高く、その差は地力窒素の差に起因すると考えられた。地力窒素発現量は四川省2地点が高槻に比べて高く、かつ地力窒素発現量の吸収率も高いことが明らかとなった。成熟期までの窒素吸収量と総穎花数の関係をみると、インド型F_1と日本晴では窒素吸収量がある量以上になると穎花数が増加しない閾値が存在したが、中国産固定種では窒素吸収量の増加に伴い穎花数は増加し続けた。 四川でみられた高い穎花生産を達成するには高い地力窒素水準が必要と考えられた。しかし、インド型F_1の穎花生産と成熟期までの窒素吸収量との関係から穎花生産に貢献しない窒素吸収の存在が示唆されており、水稲の窒素吸収パターンと地力窒素の発現の関係からみた適切な施肥法の開発が必要と考えられた。
|