研究課題/領域番号 |
11460011
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉浦 明 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (00026379)
|
研究分担者 |
田尾 龍太郎 京都大学, 大学院・農学研究科, 助手 (10211997)
米森 敬三 京都大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (10111949)
|
キーワード | マメガキ / 条件的アポミクシス / AFLP / 救助培養 / SSR-プライマー / アポクミト / フローサイトメータ |
研究概要 |
カキ属植物にアポミクシスが存在するかどうかを確かめるために、マメガキ(Diospyros lotus)2系統を用いて、同種花粉あるいは異種花粉(D.Kaki、品種:甘四溝)を交雑した。また、対照区として被袋(無受粉)区を設けた。その結果、マメガキの1系統では交雑の有無に関わらず単為結果したが、他の1系統では無受粉では全く結実しなかったのに対して、同種・異種いずれの花粉による交雑でも結実し、種子形成がみられた。そこで、得られた種子を播種して実生葉についてSSR-プライマーでPCRを行い多型を調査した。異種花粉交雑実生には花粉親特有のバンドが検出されず、種子親とバンドパターンが一致したことから、これらの個体はアポミクトであると判断された。同種花粉交雑ではPCRによって両親それぞれに特異的な多型が検出されなかったため、AFLP分析を行った。その結果、多くの実生には花粉親に特異的なピークが現れ、交雑されたものと思われたが、一部の実生では種子親とピークが一致するものがあり、条件的アポミクシスである可能性が示唆された。 次に、γ線を0〜1000Gyの範囲で数段階の線量照射を行ったカキ花粉(品種:藤八)をカキ品種富有に交雑し、無配合での種子形成の人為的誘発を試みた。γ線照射量が高くなるにつれて花粉の発芽力、形成した種子の大きさが低下し、高照射量の種子には胚が殆ど含まれていなかった。未熟胚を救助培養してシュート形成した250、500Gy照射区の個体についてフローサイトメータでDNA量を分析したところすべて6倍体で、3倍体のものは得られなかった。しかし、これらがアポミクトであるかどうかを判定するには至らなかった。
|