研究課題/領域番号 |
11460012
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
桝田 正治 岡山大学, 農学部, 教授 (90026617)
|
研究分担者 |
位田 晴久 宮崎大学, 農学部, 助教授 (60151768)
村上 賢治 岡山大学, 自然科学研究科, 講師 (40200266)
加藤 鎌司 岡山大学, 農学部, 助教授 (40161096)
|
キーワード | トマト / 雄性不稔 / 不稔遺伝子 / 稔性回復 / 単為結果性 / 遺伝様式 / 不稔抑制遺伝子 |
研究概要 |
トマト固定品種'First'雄性不稔(T-4)における種子稔性回復の温度の影響を雌ずいと雄ずいの反応に分けることにより解析し、同時に雄性不稔の遺伝様式を明らかにした。 雄性不稔3代目系統の花粉受精能(花粉崩壊型雄性不稔系統T-3を雌株に使用)の検定を行い、T-4花粉は9月後半〜10月後半、1月後半〜4月後半に、わずかに稔性が回復し有種子果をつけること、この傾向はT-4自殖でも同様の傾向を示すことを明らかにした。なお、T-4では、10月後半〜3月前半の低温期に強く単為結果が誘起されることを明らかにした。 さらに、暗期の低温(8℃)は高温(24℃)より強く稔性を回復させ、花粉形成中の温度が花粉の受精能に強く影響する一方、低温で誘発される単為結果はT-4個体の雌ずいの反応によるものとした。 雄性不稔の分離比が13:3(P=0.65、0.85、0.81)によく適合することを明らかにした。次に、ヘテロ自殖で分離した不稔株にFirstを年次を変えて交配し、ヘテロ自殖後の分離比を求めたところ13:3の適合値はそれぞれ、P=0.84、0.72、0.34となった。ヘテロ自殖における可稔:不稔の分離比が13:3によく適合したことから、不稔抑制遺伝子をF、不稔遺伝子をMと仮定し、【F】によって不稔は抑制されると考え、以下の理論を展開した。ヘテロ自殖が13:3に分離するためには、ヘテロ遺伝子型はFfMmでなければならない。ここで、γ線照射のM_2世代において分離比が13:3に適合したことから、M_1遺伝子型はFfMmで、その自殖後代において、分離してくる不稔個体の遺伝子型としてはffMMとffMmの2種類が考えられるとした。自殖によって前者はすべてが不稔に後者は可稔1:不稔3に分離するので、種子親として用いるにはこの分離を確認した上でffMMを選抜する必要があるとした。今後は、雄性不稔の遺伝子型にffMMとffMmの2種類が存在することを証明することになる。
|