研究課題/領域番号 |
11460015
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
園芸・造園学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松尾 英輔 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (90038232)
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研究分担者 |
木島 温夫 滋賀大学, 教育学部, 教授 (70026615)
新美 芳二 新潟大学, 農学部, 教授 (20018790)
樋口 春三 東京農業大学, 農学部, 教授 (00130310)
安川 緑 旭川医科大学, 医学部, 講師 (10210246)
吉長 元孝 広島国際大学, 医療福祉学部, 教授 (10230781)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 福祉施設 / 医療施設 / 健康法 / 農・園芸活動 / 療法 / リハビリ |
研究概要 |
本研究とこれに先立つ調査によって、全都道府県の福祉施設、医療施設における園芸活動に関するアンケート調査を終えた。回答状況は都道府県別にみると、20%から70%までさまざまであったが、おおむね都市部で低く地方で高い傾向がみられた。園芸活動を実践している施設は回答を寄せた施設のおよそ半数であった。なお、一部でアンケートに対する回答をインターネットで回収することを試みたが、その回答はごくわずかであり、現状ではインターネットの利用は期待できないことが明らかになった。 各ブロック単位あるいは都道府県単位で資料をとりまとめ、福祉施設、医療施設における農・園芸活動の実態を探り、次のような傾向を認めた。1)園芸活動を取り上げる割合は施設によってかなり異なり、知的障害者施設で高い傾向がある。2)活動内容としては、水やり、草取り、収穫などが多い。3)花壇、鉢・プランターでの活動が多いが、施設の種類や地域によっては農場の利用も多い。4)野菜と草花が圧倒的に多く取り上げられている。5)農・園芸活動に従事する時間は高齢者施設や精神病院で少なく、知的発達遅滞者施設で多い傾向がある。6)指導、支援をするのは一般職員であり、園芸の専門家は少ない。7)収穫・栽培・気分転換をねらいに活動する割合が高い。7)園芸活動の評価を行う施設はまだ少ない。8)農・園芸活動によって積極的・能動的になり、社会性が出てくる。9)対象者に対する職員の理解、職員間の人間関係が改善された。10)農・園芸実施の主要な三つの問題点:その知識や技術をもった人材が少ない、治療や訓練の成果の評価がむつかしい、活動にかかわる人のやりくりがつかない。11)治療やリハビリとしての位置づけをしている施設はおよそ60%に及ぶが、高齢者施設での位置づけは低い。12)園芸療法に対する関心が一般的に高まってはいるが、施設ではその内容を理解している人が意外に少ない。13)園芸療法という形で実施している施設はまだわずかであるが、取り入れることを検討している施設は半数程度に及ぶ。14)園芸療法に関する講習会、セミナーなどへの参加を希望する施設が半数を超える。
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