研究課題/領域番号 |
11460020
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
田中 利治 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (30227152)
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研究分担者 |
川北 一人 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (90186065)
宮田 正 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (20023476)
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キーワード | 精巣 / クロロフルアズロン / 輸精管 / 内部寄生蜂 / ポリドナウイルス |
研究概要 |
(1)内部寄生蜂カリヤコマユバチが雄の寄主幼虫に寄生した場合,細胞分裂のmeiotic blockを越えると精巣細胞が壊れ出すことは明らかになっていたが、何が原因でおこっているのかは明らかにできていなかった。しかし最近脂肪体で精巣中での変化と同じ現象がおこっている可能性に気づいた。脂肪体では寄生されると脂肪粒が大きくなる。これは細胞中のtubulinが切れるか形成されないことで脂肪粒同士の融合がおこり、脂肪粒が大きくなるものと考えられる。これは精巣細胞中での細胞分裂での紡錘糸が形成されないことで細胞分裂がうまくいかずに細胞が壊れ出すことと考えるとうまくあうことになる。さらにポリドナウイルスと毒液が寄主幼虫の脂肪体中のtubulin形成をおさえている可能性がでてきた。現在このtubulinを壊すカスケードを特定中である。 (2)ハスモンヨトウでは、終前齢の幼虫にクロロフルアズロンを低薬量(LD30)で処理すると精巣の発育が不完全になり次世代の個体数が減少することがわかっていたが、他の鱗翅目昆虫では全く調べられていなかった。そこで本研究でアワヨトウを使い同様の試験を行ってみたところ精巣体積の減少はみられたが、精子への分化や輸精管への精子移動等には影響がなかった。LD50くらいの濃度のクロロフルアズロンで幼虫を処理すると生存している個体でも発育阻害をおこし、ハスモンヨトウの結果のように精子移動への影響を見いだせなかった。この違いはさらに明らかにしていく必要がある。
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