研究概要 |
(1)ショウジョウバエNATをPCRを用いてcDNAライブラリーより増幅しGSTとの融合蛋白質として大腸菌で発現させて抗体を作った。同様にして、ショウジョウバエChryptochrome(Cry)の抗体を作出した。カイコESTデータベースからdouble time(dbt)のhomologueを見つけこれを全長シークエンスしGST融合蛋白質として発現し、抗体を作った。ゴキブリperのcDNAを譲渡してもらい、これをGST融合蛋白質として発現して抗体を作った。これらの抗体でゴキブリとサクサン脳で免疫組織化学的探索を行った。PERとDBTは両方の種で共存した。サクサンではNATも同じ細胞に存在することが判った。ゴキブリでもPER,DBTは常に共存した。NATはこれらの細胞に一部共存したが、PERとDBTだけでNATの共存しない細胞体群が視葉に見られた。一方、NATとメラトニンの概日振動が観測され、時計の出力系としてのNATの生物時計への関与がいっそう強く明らかにされた。カイコのCycle(Cyc)遺伝子を部分的にクローニングした。サクサンでは休眠の覚醒に従って、NATの活性が減少することが判った。NATの光周性や休眠への関与が示されたわけである。(2)生殖調節の方ではワモンゴキブリのVbitellogenin 1(Vg1)のクローニングを完結し、現在Vg2のクローニングを行っている。NATによるVg発現機構の調節の解析に向かう。
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