研究課題/領域番号 |
11460024
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
尾崎 武司 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 教授 (00081555)
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研究分担者 |
太田 大策 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (10305659)
森川 利信 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (90145821)
大木 理 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (00128761)
古川 一 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 講師 (40240957)
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キーワード | 野生植物 / Cucumis figarei / ウイルス抵抗性 / CF-RIP遺伝子 / フイガレン / 抗ウイルス活性物質 / ウイルス病防除 |
研究概要 |
1.Cucumis figareicから単離したcDNAは塩基数が1,042bpで286アミノ酸残基のORFをコードしており、この領域はヘチマから単離されたリボソーム不活化タンパク質(RIP)であるα-luffinとの相同性が最も高く、リボソーム特異的なN-グルコシダーゼの活性部位であるとされているSEAARF領域が存在することより、CF-RIP遺伝子(cf-rip)と命名した。この遺伝子をpET-15bとBL21(DE3)pLysSの組合せで発現させ、ニッケルカラムにより精製した。この精製品は、検定植物(Chenopodiumquinoa、ササゲ)葉への処理でCMVの局部病斑形成を完全に阻害し、抗ウイルス活性が確認された。つぎに、アグロバクテリウム法によりタバコへのcf-ripの導入を試みた。ゲノミックサザン分析によりcf-ripの発現が確認された個体から採種し、発芽させて得た次世代についてCMVを接種し、CMVの増殖とCF-RIPの発現量を解析したところ、CF-RIPを常時発現する個体では、CMVの増殖量は抑制されていることを確認した。 2.Cucumis figareicから精製したフィガレンのアミノ酸配列はRibonuclease(RNase)との間に高い相同性があり、そのRNase活性をIn gel RNase activity assayにより確認した。さらに、市販のRNase(beef pancrease RNase T1)にもフィガレンと同様に高い阻害活性を認めた。また、C.figarei組織中におけるフイガレンmRNAの発現は、24℃では師部要素に近い中心部に,36℃では外側の維管束鞘細胞に集中していた。以上の結果をもとに、フイガレンはタバコ等の罹病性植物の処理葉に局部獲得抵抗性様の現象を誘導することにより、ウイルスの感染、初期増殖および細胞間移行を阻害すること、ならびにC.figarei内では師部組織内に局在し、抵抗性発現に関与していると考えた。
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