研究概要 |
イネもみ枯細菌病菌の毒素生合成関連遺伝子に関する研究 イネもみ枯細菌病の病徴発現には、本病原菌Burkholderia glumaeの産生する毒素トキソフラビンが深く関与する。そこで、B.glumaeの毒素生合成遺伝子を解明する目的で、野性株にトランスポゾンを挿入することにより、毒素産出能欠損および病原性欠失変異株No.19およびNo.20を作出した。変異株No.19では、野性株のゲノミックライブラリーより変異株の病原性を相補するコスミドを分離し、そのコスミドをサブクローニングすることによりNo.19株を相補できる2.6kbのゲノム断片を取得した。そのゲノム断片を解析した結果、野性株にはIS配列(挿入配列)と高い相同性を示す遺伝子が存在することが発見された。一方No.19株では本来IS配列が存在する場所に、トランスポゾンが挿入されており、IS配列が欠失していることが明らかとなった。またIS配列の下流に存在するORF3遺伝子を破壊した変異株を作出したところ、毒素産出能を欠損していると同時に、破壊株は毒素に対して感受性になっていた。これらのことから、0RF3は毒素耐性に関与する遺伝子であり、毒素耐性機構と毒素生合成の発現と関連していることが示唆された。 さらに、No.19株ゲノムの解析により,トランスポゾンの周辺には複製関連遺伝子と相同性の高い配列(repA)が存在し,さらにその下流にはDNAの分裂に関与するparA, B遺伝子が存在することが明らかになった。しかしそれらの機能については現在確認中である。また,イネもみ枯細菌病菌の病原性欠損自然変異株についても解析し,上記repAはゲノム中に保持されているものの,parA, B遺伝子は失われていることから,イネもみ枯細菌病菌の培養中にゲノムDNAの欠落,転移などが起こり,病原性の欠損とっながるものと示唆された。
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