研究課題/領域番号 |
11460030
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三枝 正彦 東北大学, 大学院・農学研究科附属農場, 教授 (10005655)
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研究分担者 |
藤間 充 山口大学, 農学部・附属農場, 助教授 (00294661)
高橋 正 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教授 (80132009)
伊藤 豊彰 東北大学, 大学院・農学研究科附属農場, 助教授 (10176349)
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キーワード | アルミニウム過剰害 / 土壌酸性 / 交換性アルミニウム / 黒ボク土 / 酸性雨 / 施肥 / 酸性障害 |
研究概要 |
酸性雨と多施肥は土壌の酸性化を引き起こし、特に非アロフェン質黒ボク土で施肥の影響が大きい。またこれまで通常の溶脱条件下ではAlの過剰障害は見られないと言われていたアロフェン質黒ボク土においても、酸性雨と多施肥により酸性化が促進され、みかけの交換性Alが上昇することが人工降雨下での施用量試験で明らかとなった。 このみかけの交換性Alの由来を連続抽出反応槽で検討したところ、有機物に富む富士茶園土壌では一部分は腐食複合体Alであり、また残りは硫酸アルミニウム沈殿物とギブサイトによるものと考えられた。これに対して有機物を含まない宇都宮黒ボク土C層試料ではみかけの交換性Alの由来は、ほとんどが硫酸アルミニウム沈殿物とギブサイトであると考えられた。 低酸根肥料(ノンストレス肥料)や肥効調節型肥料(樹脂被覆肥料)は従来の化成肥料より非アロフェン質黒ボク土の酸性化を著しく軽減し、Al過剰障害を抑制することが明らかとなった。また、黒ボク土におけるAl過剰害軽減に対するケイ酸質材の施用効果はシリカそのものの効果と言うよりpH上昇効果によるものと推察された。また本年度三枝、藤間、伊藤と森川(研究委託大学院生)は南アフリカ州クワーズ・ナタール州で行われた第5回低pH領域における植物と土壌の相互作用に関する国際会議に参加し高い評価を受けた。
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