研究概要 |
最終年度にあたり、全体の成果を概要する。本研究ではグリコシダーゼの機能のうち、特に基質特異性を中心課題とし、その構造的解析を行うとともに機能改変を狙った。 gulucodextranaseの一次構造を決定し、これが他のdextranaseとは相同性がなく、glucoamylaseの一部と高い相同性を認めた。このことは酵素のα-1,4結合とα-1,6結合の認識がどの部位でどのようにされているかを究明する足がかりとなるものある。 isomaltotrio-dextranaseの遺伝子クローニング、組換え酵素の発現、性質の調査に成功し、endo型デキストラナーゼとの相同性を議論した。 澱粉の生合成に関与する枝作り酵素は、アミラーゼの性質と転移酵素の性質の両方を持っている。前者はまさにグリコシダーゼの範疇のものである。そこでこの酵素遺伝子を2種類単離し、大腸菌発現を行い、性質を調査し、基質認識の異なるアイソザイムであることを確認した。両者の各種キメラ酵素を作成し、C末端領域がアミロースとアミロペクチンの親和性を決めていることを証明した。さらに、このようなキメラ酵素に転移鎖長の相違を見出し、本来一方の酸素が持つ機能の改変に成功した。 さらに各種グリコシダーゼの諸性質を調べるとともに、応用研究として新しい非還元オリゴ糖の生産に成功した。
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