研究課題/領域番号 |
11460044
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
天知 輝夫 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (30301245)
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研究分担者 |
木岡 紀幸 京都大学, 大学院・農学研究科, 助手 (90234179)
植田 和光 京都大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (10151789)
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キーワード | 脂肪酸 / 遺伝子 / クローニング / ABCタンパク質 / トランスポーター / ペルオキシソーム / ベーター酸化 / ATP |
研究概要 |
本研究は長鎖および極長鎖脂肪酸の合成および分解機構を明らかにし、細胞内の脂質代謝制御を総合的に理解することを目的として行った。まず長鎖および極長鎖脂肪酸の合成系の解明には、Mortierella属糸状菌を利用することを試みた。Mortierella属糸状菌は炭素数20以上の脂肪酸を菌体内に多量に蓄積する。そこでMortierella属糸状菌の長鎖、極長鎖脂肪酸合成酵素系を明らかにするため以下の検討を行った。 1. 酵母のC_<18>までの脂肪酸合成酵素をコードするfas 1、fas 2遺伝子ならびに植物の縮合酵素KAS IIIと相同性を示す酵母遺伝子(kas III homologue)をプロープとしてM.alpinaのライブラリーをスクリーニングした。後者プローブで4つのポジテイブクローンを得、塩基配列を決定したが、タンパク質の発現には至らなかった。 2. 大腸菌、シソ、ホウレンソウの縮合酵素のアミノ酸相同配列をもとにプライマーを設計し、cDNAを鋳型にしてPCRを行ったが、ポジテイブクローンは得られなかった。 つぎに分解系に関しては、その律速段階であるペルオキシソーム内への長鎖、極長鎖脂肪酸の輸送機構を明らかにするため以下の検討を行った。まず、ラットの肝臓からペルオキシソームを単離し、長鎖、極長鎖脂肪酸のペルオキシソーム内ヘのATP依存性輸送をしていると予想されているALDP,PMP70が実際にATPと相互作用するを検討した。その結果、ALDPはPMP70とヘテロ2量体を形成していること、ALDPとPMP70は両者ともATPと相互作用するが、それらの作用メカニズムは異なることが示唆された。 さらに、これらの検討をすすめることによって、細胞内の長鎖および極長鎖脂肪酸の代謝制御を総合的に解明することをめざしている。
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