研究課題/領域番号 |
11460044
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
天知 輝夫 京都大学, 農学研究科, 教授 (30301245)
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研究分担者 |
木岡 紀幸 京都大学, 農学研究科, 助手 (90234179)
植田 和光 京都大学, 農学研究科, 助教授 (10151789)
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キーワード | 脂肪酸 / コレステロール / リン脂質 / ABCタンパク質 / トランスポーター / ペルオキシソーム / ABCA1 / 動脈硬化 |
研究概要 |
本研究は長鎖、極長鎖脂肪酸の合成と分解および細胞内の脂質代謝制御を総合的に理解することを目的とした。 長鎖および極長鎖脂肪酸の分解の律速段階はペルオキシソーム内への長鎖、極長鎖脂肪酸のATP依存的輸送である。そこで、ペルオキシソーム内への長鎖、極長鎖脂肪酸の輸送に関わるABCタンパク質であるALDP, PMP70のATPとの相互作用をラット肝臓のペルオキシソームを用いて検討した。その結果、ALDPはPMP70とヘテロ2量体を形成していること、ALDPとPMP70は両者ともATPと相互作用するとともにリン酸化されており、それらの作用メカニズムは異なることが示唆された。 体内の脂質ホメオスタシスは、脂肪酸、コレステロール、脂溶性ビタミン、胆汁酸などそれぞれが個別に調節されているのではなく、転写因子、代謝・合成酵素、輸送体などが互いに調節しあう巧妙なネットワークによつて統合的に保たれている。 コレステロール、リン脂質のホメオスタシスへの関与が示唆されているABCA1遺伝子の機能を明らかにするため、ヒトABCA1遺伝子の全長cDNAを単離し培養細胞に導入することによって、ABCA1がコレステロールとリン脂質の細胞外への放出に関与していることを明らかにした。さらにその作用機構を解明するため、遺伝病低HDL血症で見つかっているアミノ酸置換変異をcDNAに導入し細胞内局在への影響を検討するとともに、N末端と207番目のアミノ酸のところにHAタグを挿入したABCA1融合タンパク質を発現させ、蛍光共焦点顕微鏡解析によってABCA1の新しい2次構造のモデルを提唱した。
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