研究課題/領域番号 |
11460045
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉川 正明 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (50026572)
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研究分担者 |
横田 博実 静岡大学, 農学部, 教授 (50115458)
藤沢 敏孝 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究部門, 助教授 (60000262)
竹中 康之 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (20273518)
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キーワード | ダイズ / soymetide / β-conglycinin / コマツナ / 花粉管伸長 / 根の伸長 / アンジオテンシン |
研究概要 |
ダイズタンパク質のトリプシン消化物からファゴサイトシス促進活性を指標にして単離したsoymetide(MITLAIP VNKPGR)はβ-conglycinin α'subunitに由来するペプチドである。本ペプチドの免疫促進作用はfMLPレセプターを介したものであるが、その活性発現に最小限必要なN-末端フラグメントペプチドsoymetide-4(MITL)は経口投与の際にマウスにおける腫瘍壊死因子(TNF)の産生を促進し、また抗癌剤によるラットの脱毛を阻止する作用を示した。一方、植物に対しては花粉管伸長促進作用を示した。本ペプチドはまた、10^<-7>-10^<-5>Mという低濃度でコマツナの根の伸長を促進することを新たに見出した。本ペプチドは10^<-4>M以上では根の伸長をむしろ阻害することから、単なる肥料として作用しているのではないと考えられる。本ペプチドの各種誘導体を合成し、構造活性相関を検討したところ、免疫促進、花粉管伸長促進および根伸長促進活性のいずれにとってもMet残基は必須であった。また、これらの活性にはいずれも細胞内Ca^<2+>の上昇が関与することが示唆されている。しかしながら、最大の活性を示すペプチドは各々の活性について異なっており、免疫促進にはMIWL、花粉管伸長促進にはMRGG、根の伸長促進にはM(O)ITLがそれぞれ最大活性を示したことから、soymetide-4が示す3種類の活性はそれぞれ別のレセプターを介して発現されるものと考えられる。 カゼイン消化物から花粉管伸長促進活性をもとにして単離したMKPWもコマツナの根に対しては伸長促進活性を示し、動物に対してはアンジオテンシンAT4レセプターに対する親和性と静脈内投与の際の弱い血圧上昇作用を示した。
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