研究課題/領域番号 |
11460051
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
古賀 洋介 産業医科大学, 医学部, 教授 (70012458)
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研究分担者 |
森井 宏幸 産業医科大学, 産業保健学部, 助手 (60141743)
西原 正照 産業医科大学, 医学部, 助教授 (20131930)
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キーワード | 古細菌 / エーテル型極性脂質の生合成 / CTP / アーキチジルセリン / アーキチジルセリンシンターゼ / CDP-不飽和アーキオール / CDP-不飽和アーキオールシンターゼ |
研究概要 |
メタン生成古細菌Methanothermobacter thermoautotrophicusの無細胞抽出液中に昨年検出した、不飽和アーキチジン酸とCTPからCDP-不飽和アーキオールを合成する活性をさらに詳細に検討した。この活性は膜画分に存在し、至適pH8.5、至適温度55℃で、0.2M KClと1mM Mg^<2+>を活性に必要とする。この反応の生成物を薄層クロマトグラフィー、化学分析、紫外吸収スペクトル、FAB-マススベクトルなどでCDP-不飽和アーキオールであることを確認した。またこの反応の化学両論が成立することも確かめた。次に、化学合成したCDP-不飽和アーキオールとL-セリンからアーキチジルセリンを合成する活性をM.thermoautotrophicusの無細胞抽出液中に検出した。前述のように酵素的に合成したCDP-不飽和アーキオールを基質にしたときも同様にアーキチジルセリンに転換された。M.thermoautotrophicusの培養中に[^<32>P]無機リン酸を短時間取り込ませて菌体全脂質の薄層クロマトグラム上に[^<32>P]CDP-不飽和アーキオールに相当するスポットを検出し、その脂質が前記のアーキチジルセリン合成酵素でアーキチジルセリンに転換することを見いだした。これらのことからCDP-不飽和アーキオールとCDP-不飽和アーキオールシンターゼはこの古細菌の極性脂質生合成に実際に関与することが明らかになった。これまででジヒドロキシアセトンリン酸から極性脂質の合成に至る5段階の反応を触媒する酵素活性が証明され、そのうち3段階は本研究によって明らかにされた。
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