1、肝臓におけるL型ピルビン酸キナーゼ遺伝子の転写はエンハンサーユニットを介してインスリン/グルコースにより促進される。このユニットを構成するL1に結合する転写因子のHNF1とL2に結合するNF1ファミリータンパク質が相乗作用を示すかどうかをHeLa細胞を用いたレアポーターアッセイで検討した。その結果、4種類のNF1ファミリーのNF1A、NF1B、NF1C、NF1Xはいずれもそれ自身では効果は認められなかったが、HNF1の作用を顕著に増強し、機能的に相互作用することが判明した。現在、相互作用の実体を解析中である。 2、ピルビン酸キナーゼM遺伝子の転写調節にはSpファミリータンパク質とNFYが重要な役割を果たしているが、これらの間の相互作用をMammalian two-hybrid systemを用いて解析したところ、Sp1/Sp3はNFYを構成する3つのサブユニットのうちのNFYAと相互作用することにより転写を相乗的に活性化することを示した。また、GST pull-down assayにより、これらは実際にin vitroで結合することを示した。 3、3T3-L1脂肪細胞でのピルビン酸キナーゼM遺伝子の発現はインスリンで促進されるが、この時にグルコースを必要としないことを示した。PKM遺伝子のインスリン応答性領域は-457〜+46の間には存在しないことが示唆された。
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