研究課題/領域番号 |
11460071
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
林 拙郎 三重大学, 生物資源学部, 教授 (50024584)
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研究分担者 |
土屋 智 静岡大学, 農学部, 教授 (60197720)
中村 浩之 東京農工大学, 農学部, 教授 (90242239)
川邉 洋 三重大学, 生物資源学部, 教授 (80126036)
平松 晋也 高知大学, 農学部, 助教授 (70294824)
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キーワード | 地震災害 / 大規模崩壊 / 安定解析 / 地震動特性 / 発生予測 / 土砂移動 / 地形・地質因子 / 地盤強度 |
研究概要 |
1.大規模な崩壊が発生しやすい条件を持っている火山体を対象に、崩壊の可能性のある斜面を地形の特徴から推定する方法について考察した。火山体は堆積地形であり、その縦断面形は火山物質の移動・停止のプロセスを反映した形状特性を示すが、大規模な崩壊を対象とする場合、地表面での侵食や堆積よりも山体が安定して維持されるかどうかが問題となる。そこで、最近400年間に大規模な崩壊を起こした成層火山として4火山(北海道駒ヶ岳、渡島大島、磐梯山、御岳山)を、また比較対照として現在整った円錐形の成層火山である富士山と羊蹄山を採り上げた。火山体がその山体を維持していくためには、ある標高より上部の山体重量をその標高での断面積で支えなければならない。すべての標高でこの釣り合い保たれると仮定すると、どの火山体も山体標高とそれより上の体積の関係が2本の折れ線で近似でき、その交点の標高は崩壊の源頭部の標高とほぼ一致していた。この理由については、来年度さらに検討を続ける。 2.1999(平成11)年9月に台湾中部で発生した地震により、崩壊土砂量10^7〜10^8m^3規模の大規模崩壊が2個所で発生した。本科研の申請時には予期していなかったが、堆積岩山地での大規模な地震崩壊の典型的事例として調査を実施した。その結果、崩壊の発生には、地震動、とくに上下動の大きさの他に、当該斜面のそれまでの崩壊履歴、クリープによる岩盤の緩み、塩類風化、地下水の供給、など地震に至るまでの斜面内での素因の形成が大きく寄与しているものと推測された。 3.円弧状のすべり面に対する三次元斜面安定解析法をほぼ完成させ、検証のために、すべり面に垂直に作用する応力の計算値と実験による実測値とを対比した結果、良い一致が得られた。
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