研究分担者 |
土屋 智 静岡大学, 農学部, 教授 (60197720)
中村 浩之 東京農工大学, 農学部, 教授 (90242239)
川辺 洋 新潟大学, 農学部, 教授 (80126036)
近藤 観慈 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (60335148)
平松 晋也 高知大学, 農学部, 助教授 (70294824)
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研究概要 |
主に,1998年に342galの地震加速度が発生した藤原町土石流と,最大982galの地震加速度が発生した1999年台湾集集地震によるそのごの土砂災害について検討した。 1.藤原町土石流の調査結果 平成11年に土石流の発生した藤原町西之貝戸川(8月と9月に各1回発生)と小滝川(9月に1回発生)に平成14年7月17日午前9時20分頃中規模の土石流が発生した。両渓流において土石流の民家への直撃は無かったが,西之貝戸川での流出土砂量は,4基の砂防堰堤における堆砂量からの推定で約27千m^3であった。この量は,平成11年8月発生土石流における流出土砂量(5千〜7千m^3)のほぼ4倍の流出土砂量であった。 2.台湾九〓二山地区と草嶺の崩壊地調査結果 a.九〓二山地区崩壊の向かい側に住んでいた官盛富氏より,2002年12月24日に地震当夜の地震とそれに伴って発生した崩壊にまつわる話を聞くことができた。基礎データとして,崩積土の単位体積重量の測定を2つの採土円筒,採土円筒A(598cm^3),採土円筒B(400cm^3)を使用して行った。採土円筒Aで,試料1と2を採取し,採土円筒Bで試料3〜5を採取した。その結果より,1.58〜1.95gf/cm^3程度の値が得られた。また,崩積土の透水係数の測定を,今回,時間の関係で試料4だけの測定を行った。約18時間放置したが,試料は飽和状態にならなかった。そのため,測定結果は不飽和状態の透水係数k_uである。その結果k_u=2.63×10^<-5>(cm/s)が'得られた。 b.地震前,草嶺の山腹上部に住んでいて今回の崩壊で対岸に放り出されて助かった簡成品氏一家に関する話と,斜面下部の清水渓の右岸付近(崩壊地上流端から3km程下流)に住んでいた人の話を聴取することができた。
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