研究課題/領域番号 |
11460084
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山内 晧平 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 教授 (10109514)
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研究分担者 |
足立 伸次 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助教授 (40231930)
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キーワード | ニホンウナギ / 脳下垂体 / 肝臓 / 卵巣 / ビテロゲニン / 染色体 / GTH / ステロイドホルモン |
研究概要 |
1)脳下垂体におけるGTH合成分泌機構の解析 脳下垂体器官培養により、ウナギの生殖腺刺激ホルモン(GTHIβおよびIIβサブユニット)の発現に及ぼす生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)の影響を調べた結果、GnRHはGTHIIβサブユニットの発現を誘導するが、GTHIβについては、その発現を誘導する時としない時があることが示された。 2)血中ステロイドホルモン アロマターゼ阻害剤をウナギに投与すると、血中エストラジオール(E2)量を低値に保つことができ、得られた卵も外見的には異常は観られなかった。また、今回、雌ウナギの11-ケトテストステロン(11KT)の血中量の変化を調べた結果、雌魚においても血中11KT量は催熟期間を通してE2量と同程度あるいはそれ以上に存在し、核移動期にはE2同様著しく増加することが判明した。 3)肝臓におけるビテロゲニン(VTG)合成分泌機構の解析 雌ウナギの性成熟に伴う2種のVTG mRNA量の変化を調べた結果、VTG1のmRNA量は催熟開始後直ぐには上昇せず、卵黄形成中期から増加した。一方、VTG2のmRNA量は催熟開始後、直ちに上昇した。従って、両遺伝子には異なる制御が存在すること、両VTGの機能には何らかの相違があることが示唆された。 4)排卵されたウナギ卵の染色体 排卵されたウナギ卵の染色体の状態を組織学的に詳細に観察した結果、他魚種で観察されるような正常な分裂中期像も観察されたが、その他にも、紡錘体の軸が曲がっている像や一つの卵中に二つの分裂中期像が存在するものも観察された。これら染色体像は、排卵されたウナギ卵の一部は最終成熟が未完了あるいは異常であることを示している。
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