研究課題/領域番号 |
11460091
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 広島大学 (2000-2001) 鹿児島大学 (1999) |
研究代表者 |
難波 憲二 広島大学, 生物生産学部, 教授 (10034472)
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研究分担者 |
安樂 和彦 鹿児島大学, 水産学部, 助教授 (50274840)
川村 軍蔵 鹿児島大学, 水産学部, 教授 (30041718)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | クロマグロ / 感覚器形成 / 仔魚 / 稚魚 / 衝突 / 網膜運動反応 / アンモニア態窒素 / 酸素消費量 / oxygen consumption |
研究概要 |
クロマグロ孵化仔魚の機械受容器(内耳と遊離感丘)の発達は他の魚種の仔魚より早く、頭部の遊離感丘のクプラは巨大であるが、運動の障害にならず、孵化直後に接近する障害物を回避する能力を持つ。初期の味蕾はあごの歯と咽頭歯が出現する直前に咽頭部に形成され、その後、口腔内奥部でも密度を増したが、口その3日後には5枚の嗅板が形成された。孵化後3日で眼には単錐体が形成され機能した。 クロマグロの種苗生産の際、薄明時に稚魚が水槽壁や網生け簀へ衝突して大量斃死が起こる。この衝突は魚が視覚的に方向感覚を失ったためと考え、沖だし時のクロマグロ稚魚(全長50.7-96.8mm)の網膜運動反応と海上の飼育場所における薄明時の照度変化の測定を行った。網膜が暗視から明視へ移行する照度は7.52lxで、それに要する時間は15分であった。薄明時の照度は暗視照度から急速に増加し、10分後に明視照度に達した。環境照度の変化と網膜適応の不調和が視覚的な方向感覚の喪失を引き起こしたと思われる。視覚的に方向感覚を失った稚魚がその高い遊泳力をコントロールできず、薄明時に水槽壁や生簀網に衝突する可能性がある。 水温26.0℃から28.5℃の間では、クロマグロ仔稚魚1g当たりの酸素消費量は、仔稚魚の体重(乾燥重量)が10mg以下の場合、0.05〜0.25μlO_2/minの範囲内にあった。仔稚魚がさらに成長すると26℃では単位体重当たりの酸素消費量が減少した。アンモニア態窒素の排出量は体重が10mg以下の時は体重1g当たり5〜50μgN/minであったが、さらに成長すると僅かな水温の差が代謝活性に影響を及ぼすことが明らかになった。
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