研究課題/領域番号 |
11460092
|
研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
石田 祐三郎 福山大学, 工学部, 教授 (20026488)
|
研究分担者 |
山口 峰生 瀬戸内海区水産研究所, 赤潮環境部, 赤潮生物研究室長
三輪 泰彦 福山大学, 工学部, 助教授 (00219833)
満谷 淳 福山大学, 工学部, 助教授 (80309632)
北口 博隆 福山大学, 工学部, 助手 (10320037)
|
キーワード | 赤潮 / Heterocapsa / 殺藻細菌 / 殺藻物質 / バイオレメディエーション |
研究概要 |
平成12年度は、Heterocapsa circularisquama発生海域である広島県江田島湾(6月〜10月)において海水を採取し、H.circularisquama殺藻細菌の探索を行った。また、平成11年度に分離した殺藻細菌EHK-1によるH.circularisquamaの殺藻機構の検討を行った。得られた成果の概要を以下に示す。 1.平成12年度も11年度と同様、環境海水中のH.circularisquama殺藻細菌数はH.circularisquama赤潮の発生、非発生に関わらず低い値で推移し、本藻の消長と殺藻細菌数との間の関連性は低く、環境水中における本藻殺藻細菌数は極めて少ないことがわかった。 2.江田島湾の表層水中から分離した殺藻細菌EHK-1は、「殺藻物質分泌型」の殺藻細菌であり、その殺藻物質は分子量3000以下で熱に安定であること、および増殖ステージに関わらず殺藻物質を常に産生していることが明らかになった。 3.H.circularisquamaと殺藻細菌EHK-1の二者培養ろ液を、酢酸エチルで抽出し、ヘキサン/90%メタノールで分画したところ、90%メタノール画分に殺藻活性が確認された。活性画分を、Wakogel100C18を用いたカラムクロマトグラフィー、Inertsil ODS-3を用いたHPLCによりさらに分析し、3つの活性ピークが存在することを明らかにした。これらの殺藻活性を示すピークは、新奇な殺藻物質であることが示唆された。 来年度は、これらの成果をもとに、EHK-1によるH.circularisquamaの殺藻機構を、殺藻細菌が産生する殺藻物質と、殺藻物質による藻類の死滅機構の両面から解明し、H.circularisquama赤潮の効率的阻止に向けての基礎を確立する。
|