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2000 年度 実績報告書

魚類卵に存在する分子多様性レクチンの生物学的機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11460094
研究機関東北大学

研究代表者

村本 光二  東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (90157800)

研究分担者 神谷 久男  北里大学, 水産学部, 教授 (80011964)
永沼 孝子  東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (50250733)
小川 智久  東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (80240901)
実吉 峯郎  帝京科学大学, 理工学部, 教授 (20002339)
キーワードレクチン / スチールヘッドマス / 凝集素 / サケ / ラムノース / 糖鎖認識 / 魚卵 / 卵
研究概要

サケ科スチールヘッドマス(Oncorhynchus mykiss)の未受精卵から単離し,構造を解析した新規動物レクチンファミリーに属する3種類のラムノース結合特異的レクチン(STL1,STL2,STL3)の生物学的機能性を検討した。STLの局在を酵素免疫測定法(ELISA)で調べ,STL1が雌の卵巣と雌雄の脾臓に多く存在し,他に心臓,肝臓,血液などに存在すること,一方,STL2とSTL3は卵巣にのみ存在することを明らかにした。さらに雌雄2才魚の各組織におけるSTLの局在を,抗STL抗体と共焦点レーザー顕微鏡を用いた間接免疫蛍光法を用いて詳細に調べた。ELISA法でSTL1が検出された肝臓や脾臓においては,それら器官の血管内の白血球のみが染色された。これによってSTL1が白血球で産生されることが明らかになった。卵巣におけるSTLの局在を免疫染色で調べた結果,いずれのSTLもPAS染色陽性の卵黄胞の局在と一致し,それらの出現は卵母細胞における卵黄胞の出現と一致していた。STL1はさらに,卵膜と胚胞中央部にも検出された。卵黄胞に存在するSTLは,受精後,回卵腔に移動すると考えられ,孵化によってSTLレベルが急激に低下することと一致する。回卵液は発生の際,胚の保護に重要な役割を果たしており,STLは防御因子として働いていると考えられる。これを確認するために,シロサケ卵レクチン(CSL)と微生物との相互作用を検討した。グラム陽性菌,酵母及びカビでは,CSLによる凝集作用は観察されなかった。グラム陰性菌である大腸菌やせっそう病菌などの魚病細菌は凝集され,ラムノースの添加によって凝集阻害がみられた。しかし,CSLには静菌活性や抗菌活性はなく,オプソニン様の作用で生体防御に関与すると考えられる。また,マルタ,ウグイ,アユ及びニシンなどの,サケ科以外の魚種における新規動物レクチンファミリーの存在も確認し,それらの生化学的性状を明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] O.Nakamura: "Galectin containig cells in the skin and mucosal tissues in Japanese conger eel : An immunohistochemical"Develop.Comp.Immunol.. (印刷中).

  • [文献書誌] H.Tateno: "A novel rhamnose-binding lectin family from eggs of steelhead trout with different structures and tissue distribution"Biosci.Biotechnol.Biochem.. (印刷中).

  • [文献書誌] K.Muramoto: "Comparison of the amino acid sequences of acoru barnacle lectins showing different inhibitory activities toward the crystal growth"Fisheries Sci.. (印刷中).

  • [文献書誌] M.Jimbo: "Cloning of the Microcystis aeruginosa M228 lectin gene"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 273. 499-504 (2000)

  • [文献書誌] M.Yamaguchi: "Effects of culture conditions on the expression level of lectin in Microcystis aeruginosa"Fisheries Sci.. 66. 665-669 (2000)

  • [文献書誌] 村本光二: "海洋動物レクチンの分子構造と機能に関する研究"日本水産学会誌. 66. 384-387 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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