研究課題/領域番号 |
11460095
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研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
渡邊 武 東京水産大学, 水産学部, 教授 (60017051)
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研究分担者 |
キロン ヴィスワナス 東京水産大学, 水産学部, 助手 (20262339)
舞田 正志 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (60238839)
佐藤 秀一 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (80154053)
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キーワード | ブリ / 飼料形態 / 必須アミノ酸 / 血漿遊離アミノ酸 |
研究概要 |
平成13年度はほぼ同一の配合組成で物性がそれぞれ異なる3種類の飼料を製造し、必須アミノ酸(EAA)の添加効果を血中のアミノ酸濃度と飼育成績の面から比較した。すなわち、大型と小型の二軸エクストルーダを用いてEAA混合物(リジン、メチオニン、トリプトファン)添加および無添加のSDPおよびEPを製造するとともにシングルモイストペレット(SMP)を作製し、添加したEAAの利用性を血漿中の遊離アミノ酸の挙動との関連から検討を加えた。また、主たるタンパク質源に濃縮大豆タンパク質、大豆油粕およびコーングルテンミールを配合した無魚粉のSDP、EPおよびSMP飼料を作製し、長期飼育試験によりEAAの添加効果を各飼料間で比較検討した。飼育試験は当歳魚のブリを用いて海面の小割生け簀で実施した。 その結果、魚粉および無魚粉飼料の摂餌性に問題は無く、成長は魚粉飼料区で最も優れていたが、飼料の形態に係わらずEAA添加によって成長が改善された。無魚粉飼料の中では、大型のエクストルーダを用いて作成したSDPの成長が優れていた。 EAA添加区のブリ血漿中のEAA濃度は無添加区より高く、ブリは飼料の形態に係わらず添加したアミノ酸を効率よく吸収することがわかった。 しかしながら、飼料に添加した結晶EAAと飼料タンパク質から誘導された同じEAAの間に給餌後の経時的濃度変化に顕著な相違が観察された。さらに、EAA添加した無魚粉飼料区の血漿遊離アミノ酸の濃度変化は対照区の魚粉飼料区と明らかに異なることがわかった。特に、添加したEAAのうちメチオニン濃度が給餌後24時間まで著しく高く、アミノ酸インバランスを起こしていることが示唆され、このことが魚粉飼料区と比較してEAA添加の無魚粉区で飼育成績が劣る結果となったのではないかと推察された。
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