研究課題/領域番号 |
11460104
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
甲斐 諭 九州大学, 農学部, 教授 (70038313)
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研究分担者 |
四方 康行 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (20178859)
佐々木 市夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (70125384)
中原 准一 酪農学園大学, 環境システム学部, 教授 (60048121)
早川 治 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (00096885)
中嶋 康博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50202213)
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キーワード | 食品の安全性 / フードシステム / 安全性確保 / 衛生 / HACCP / 品質保証 / キャトル・ケア / トレーサビリティ |
研究概要 |
近年、英国をはじめとする欧州においては狂牛病、ドイツ・デンマーク・オランダでは豚ペスト、台湾では豚の口蹄疫、香港では鶏のインフルエンザ、日本ではO-157が頻発し、各国のフードシステムにおける「HACCP(危害分析重要管理点)の導入」、「安全性確保」が重要な課題になっている。 このような状況を踏まえ、本研究では、まず、第1に、研究メンバーの過去の留学や調査で得た人脈や情報源を活用して、世界の主要国で発生し、食品の安全性を脅かしている原因と対策としてのHACCP導入の費用対効果を分析し、第2に、同様の情報源を通して得た知見を基に、世界の主要国の農業経済学会等では、食品の安全性確保について、どのような学問的取扱いがされているか、研究内容の比較検討をする。 本年度は研究代表者が豪州の実態を調査した。豪州は世界第1の牛肉輸出量を誇っているが、また、世界最高水準の牛肉の生産と流通の段階におる衛生水準を達成している。ニューサウスウエール州、クインズランド州の子牛生産農家、肥育場、と畜場、政府機関を訪問して聞き取り調査を実施した。 子牛の生産農家におけるキャトル・ケアは、飼料に残留農薬等が含まれていないことや肥育段階で抗生物質を利用していないことを保証させている。また、と畜場ではHACCP方式によると畜・枝肉への解体、部分肉への小分け、真空パック詰め等、業界と政府が一体となった安全性確保を実施している。さらに、政府の検査機関では枝肉の脂肪に含まれる残留農薬、抗生物質を厳正に検査していた。このような安全性確保システムは我が国にとっても非常に役に立つものと考えられる。
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