研究課題/領域番号 |
11460107
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
清水 昂一 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (80109553)
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研究分担者 |
茅野 甚治郎 宇都宮大学, 農学部, 教授 (40163729)
藤田 夏樹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30190044)
森島 賢 立正大学, 経済学部, 教授 (50113634)
堀田 和彦 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (00192740)
中川 光弘 茨城大学, 農学部, 助教授 (30302334)
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キーワード | 米 / 米政策 / シミュレーション分析 / WTO体制 |
研究概要 |
本研究では、WTO体制下のどのような米政策の選択肢が考えられるか、シミュレーション分析の方法によって探ることを目的としている。 平成12年度は、メンバーの中川・長澤らが中心となって構築した世界穀物モデルを利用して、アジアのコメ市場に関するシミュレーション分析を行った。この結果、以下の点が明らかとなった。 ・近年の米の需給事情の変化を反映した2010年までのベースライン予測によれば、荘雷の国際米価格は上昇傾向を示す。これは、Wailesらや大賀、あるいはいくつかの国際機関等による長期予測の多くが、将来における米需給の緩和を予測しているのに対して、逆に、将来の米需給が逼迫傾向にあることを示している。 ・このように他とは異なった予測が導かれた要因として、アジア諸国における「緑の革命」きにおける生産性の上昇を前提としなかったことが挙げられる。「緑の革命再現」ケースとして、5ヶ国の単収上昇率を1980年代のものに変更すると、国際価格は大幅に低下する。 ・一方、通貨危機に見舞われたアジア4ヶ国の経済動向が国際米需給に与える影響は、比較的軽微であることが示された。これは、これら諸国の米需要の所得弾力性が、既に相対的に小さくなっていることを反映している。 これらの予測結果も踏まえ、現在構築中の日本モデルも組み合わせることで、最終年度である平成13年度は、世界モデルおよび日本モデルによる最終的なシミュレーション分析を行う予定である。
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