平成11年度は初年度として、現地調査とデータ収集に着手した。調査対象地区を国内外に3ケ所設けた。国内の地区としては、新潟県西蒲原の新川流域および愛知県の豊川用水システム、外国の地区としてはタイ国チャオプラヤ川流域を選定し調査を実施した。地形や水文データの収集、さらにタイ国においては稲の種別ごとの作付けパターン等の聞き取りを行った。また、国内では手に入らないチャオブラヤ川流域の詳細な地図も併せて入手した。 次に、この研究を進めるにあたって必要となる灌漑・排水システム内の水の動きをシミュレートする手法については、樹枝状・網状の水路における水の動きを追跡できる陰差分法による非定常シミュレーションプログラムを開発済みであり、対象地区のシステムに適合できるよう修正中である。また、シミュレーション結果をビジュアルに表現するためのソフトウェアの開発にも着手している。今年度は、これらの作業のための高速な計算処理能力をもたらすパーソナルコンピュータ、多彩なプレゼンテーションを可能にするカラーレーザーブリンタ等の機器ならびにソフトウェアの充実を図った。
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