研究課題/領域番号 |
11460135
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中山 裕之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40155891)
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研究分担者 |
鈴木 正寿 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70302594)
尾崎 博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30134505)
西原 真杉 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90145673)
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キーワード | ラット / 脳 / リボソームタンパク質L4(rpL4) / 細胞増殖 / アポトーシス |
研究概要 |
正常ラット脳の発育過程におけるリボソームタンパク質L4(rpL4)の発現をしらべた。胎齢13〜21日および生後1日〜12週齢のWistar ratの脳を採取し、in situ hybridizationにより、rpL4mRNAの発現を検索した。プローブには、rpL4の119〜491番目および895〜1247番目の塩基配列を用いた。胎仔期では、終脳神経管周囲のventricular zone、subventricular zoneおよびcortical plateにおいて、rpL4mRNAの強い発現が認められたが、生後7日齢以降は発現は消失した。一方、小脳では胎齢21日〜生後14日のexternal granular layerでrpL4mRNAが強く発現していたが、その後発現は減少した。海馬のgranule cell layerでは出生前後で発現が強かったが、それ以降発現は減弱した。本研究の結果から、胎仔期〜生後14日日にラット脳の細胞増殖活性の高い部位におけるrpL4mRNAの顕著な発現が確認された。rpL4はアポトーシスと深く関わっていることが報告されている。細胞増殖と細胞死は密接な関係を有することから、rpL4は、出生前後の脳において、これらの機構に密接に関連した働きを持つことが示唆された。 これに加えて、ethylnitrosourea(EUN)投与ラットの胎仔における小脳症(brain hypoplasia)を形態的に解析した。この結果、EUN小脳症の発生にはアポトーシスによる細胞死と細胞増殖活性の低下が重要であることが示された。この実験系は発生期中枢神経系のrpL4誘発アポトーシスの解析に有用と考えられた。
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