研究課題
ネコ免疫不全ウイルス(FIV)は、後天性免疫不全症候群(エイズ)様症状のネコから分離され、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)と同じくレトロウイルス科レンチウイルス属に分類される。本研究はFIV防御上大きな役割を担っていると考えられるCD8陽性細胞およびNK細胞を中心に、そのphenotypeと抗FIV活性(細胞傷害活性、FIV増殖抑制因子)を詳細に解析することを目的とする。本年度は以下の成果を得た。1.健康なネコの胸腺由来mRNAより、アダプター連結2本鎖cDNライブラリーを作製した。ヒト・マウスSDF・1αあるいはβcDNAの3'非転写領域間で保存されている配列を基に設計したプライマーと、アダプターに特異的な2種類のプライマーを用いてのsemi-nested PCRにより、約0.3kbpの増幅産物を得、T-ベクタークローニングし塩基配列を決定した。その結果ネコ及びヒトSDF-1α/βの予想される成熟蛋白のアミノ酸配列は完全に一致していた。2.ネコの胸腺細胞をConAで刺激し組換えヒトinterleukin2存在下で培養後、mRNAを回収し、cDNAを合成した。これを鋳型として、ヒト、マウスなどのCD45 cDNA間で高く保存されている塩基配列をもとに作製したプライマーを用いてのPCRを行い、ネコCD45分子相同体をコードするcDNAをクローニングし、全塩基配列を決定した。
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