研究課題/領域番号 |
11460136
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
塩田 邦郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80196352)
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研究分担者 |
宮沢 孝幸 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (80282705)
遠矢 幸伸 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (20180119)
明石 博臣 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10334327)
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キーワード | FIV / CD2 / エイズ / 感染防御 / T細胞 / CD11 / モノクローナル抗体 / 接着分子 |
研究概要 |
ネコ免疫不全ウイルス(FIV)は、後天性免疫不全症候群(エイズ)様症状のネコから分離され、ヒト免疫不全ウイルスと同じくレトロウイルス科レンチウイルス属に分類される。本研究はFIV感染防御上大きな役割を担っていると考えられるCD8陽性細胞およびNK細胞を中心に、そのphenotypeと抗FIV活性を詳細に解析することを目的としている。本年度はT細胞表面の接着分子に関して解析を進め、以下の成果を得た。 1.ネコCD2の性状解析:免疫応答において重要な役割を果たすT細胞表面抗原CD2のネコホモローグを同定するために、ネコCD2cDNAをクローン化してその塩基配列を決定した。解析したcDNAには1008塩基対の翻訳可能領域が含まれており336アミノ酸をコードしていた。アミノ酸配列は他の動物と46〜57%の相同性を有していた。さらに、ネコCD2cDNAをCOS細胞に組換え発現させ、抗ネコCD2モノクローナル抗体を作製した。得られた抗体はネコCD2のEロゼット形成を阻止し、フローサイトメトリーによるネコ末梢血中のCD2陽性細胞の検出に有用であることが示された。 2.ネコCD11aの抗体作製:CD2と同様、免疫応答に重要な接着分子CD11aのネコホモローグのcDNAをバキュロウイルスにより組換え発現させ、抗ネコCD11aモノクローナル抗体を作製した。T細胞の活性化に伴うCD11aの発現量増加が認められ、ネコ末梢血中の活性化T細胞の解析に有用であることが示された。
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