研究課題/領域番号 |
11460137
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
林 良博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90092303)
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研究分担者 |
加納 聖 岩手大学, 農学部, 助手 (40312516)
金井 克晃 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (30260326)
九郎丸 正道 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00148636)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | 精巣 / 短日条件 / 精祖細胞 / 精母細胞 / マウス / ハムスター / Smad2 / Smad3 |
研究概要 |
まず、精巣がその大きさを著しく増大させる前精子発生期(胎生後期〜生後初期)における、マウスの初期精細胞(gonocyte)の増殖と基底膜定着について、BrdU法、電顕により検討した。移動過程の精細胞は胎齢17.5日から観察され、胎齢18.5日では基底膜に完全に定着した精細胞が認められた。一方、BrdU標識精細胞は生後1.5日齢から確認され、生後2.5日齢で急激に増加し、その後も日齢の進行に伴って増加した。次に、体の大きさの著しく異なる(従って精巣の大きさも著しく異なる)2種のコウモリ(ジャワオオコウモリ:平均体重567g、コキクガシラコウモリ:7.0g)について、精巣の組織構造、レクチン染色性について検討した。精巣の組織学的特徴、精細管径等において両者に相違は認められず、レクチンも一部を除いて極めて類似した染色性を示した。引き続いてTGF-βの細胞内シグナル伝達因子であるSmadファミリーのうち、 マウスSmad3のcDNA open reading frameをRACE法を用いてcloningした。塩基配列より予想されるアミノ酸配列において、ヒトSmad3とは99.3%、マウスSmad2とは85.4%のホモロジーを示した。各臓器における分布をnorthern blot法により解析した結果、特に脳と卵巣においてSmad3の強い発現が認められた。続いてin situ hybridization法により、脳と卵巣におけるSmad3 mRNAの局在を調べたところ、脳では海馬歯状回錐体細胞、大脳皮質顆粒層細胞、卵巣では卵胞上皮細胞において高い発現が確認された。さらに、ハムスターの日照条件を変化させ、精巣におけるSmad2とSmad3の発現と局在をin situ hybridization法により検討した。その結果、長日条件(正常な精巣)と短日条件(萎縮精巣)のいずれにおいても、Smad2,Smad3のmRNAの発現は、ともに精祖細胞、精母細胞に認められた。また、northern blot法において、Smad2 mRNAは発現量に変化はなかったが、Smad3 mRNAは萎縮精巣において高い発現量を示した。
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