研究課題/領域番号 |
11460139
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
後飯塚 僚 東京理科大学, 生命科学研究所, 助教授 (50301552)
|
研究分担者 |
林 克彦 東京理科大学, 生命科学研究所, 助手 (20287486)
辻 佐智代 東京理科大学, 生命科学研究所, 助手 (60297629)
北村 大介 東京理科大学, 生命科学研究所, 教授 (70204914)
|
キーワード | アレルギー / シグナル伝達 / IgEレセプター / マスト細胞 |
研究概要 |
本年度は、マスト細胞に発現する高親和性IgEレセプターのシグナル伝達に関与するBASH/SLP-76ファミリーに属する新規アダプター分子であるMISTの機能について、マスト細胞株を用いて詳細な生化学的解析を行い、さらに、EGEP遺伝子をレポーターとしてMIST遺伝子の翻訳開始コドン近傍に組み込んだTargeting vectorの構築を行った。 MISTはIgEレセプター刺激によりチロシンリン酸化され、PLC-γ2,Vav,LATおよびGrb2などのシグナル分子と会合する。変異型MISTをマスト細胞株に過剰発現させると、Fcεレセプターを介した脱顆粒が顕著に抑制され、それらの細胞では、レセプター刺激後の細胞内カルシウム濃度の上昇ならびにNF-ATの活性化が低下しており、MISTはFcεレセプター刺激からマスト細胞の脱顆粒に至るシグナル伝達系において必須のアダプター分子であると考えられた。また、MISTの発現はサイトカインによって増強されることが判明した。MISTゲノム遺伝子を単離し、それを用いてMIST遺伝子の翻訳開始コドンを含む第2エキソン41bpをEGFP遺伝子に置換したTargeting vectorを構築した。現在、本コンストラクトをES細胞に導入し、相同組替えの起こったESクローンを選別している段階である。さらに、MIST遺伝子の転写制御領域を含む第一エキソン5'上流について解析を行った結果、サイトカインレセプターからのシグナル伝達に関与する転写因子であるSTATの結合配列が認められ、レポーターアッセイの結果、MIST遺伝子の転写がSTATによって制御されていることが明らかになった。
|