研究課題/領域番号 |
11460143
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高島 郁夫 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (30002083)
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研究分担者 |
高橋 健一 北海道立衛生研究所, 疫学部・医動物科, 科長
岩崎 琢也 国立感染症研究所, 感染病理部, 室長 (90146027)
刈和 宏明 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (70224714)
丸山 務 麻生大学, 環境保健学部, 教授 (50239159)
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キーワード | ダニ媒介脳炎 / ウイルス性脳炎 / 病原性 / ウイルスの起源 |
研究概要 |
北海道で発見されたダニ媒介脳炎ウイルスについて中枢神経系への病理性発現の機序と道内への導入の起源および疫学状況に検討を加え以下の成績を得た。 1.マウスモデルにおいてダニ媒介脳炎ウイルス北海道株、極東ロシア株、中央ヨーロッパ株を比較したところ、これらの株は共通の病原性を保有しているが、神経侵襲性は北海道株は他の2株より弱かった。 2.マウスにおける病理組織学的所見では、北海道株はクモ膜下における単核球の侵潤が特徴的であった。 3.マウス感染モデルを用いて、オーストリアで市販されているダニ媒介脳炎ウイルスワクチンの評価を行ったところ、本ワクチンは北海道株と極東株に有効なことが判明した。 4.ロシアハバロフスクにおいて1998年に分離したダニ媒介脳炎ウイルス株、1937年に分離されたSofjin株および1995年〜1997年に北海道で分離株のE-タンパク遺伝子を系統樹解析したところ、北海道株は極東ロシア株から260〜430年程前に分岐したと推定された。 5.北海道においてダニ媒介性脳炎ウイルスのウマおよびイヌの血清疫学調査を実施したところ、渡島、胆振、桧山および後志の道南の4支庁に汚染が分離していることが判明した。 6.ダニ媒介脳炎ウイルス北海道株に対する単クローン性抗体を作製し、各種フラビウイルスに対する反応パターンを調べた。この単クローン性抗体を用いた蛍光抗体法により分離株の同定手技を確立した。
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