研究分担者 |
林 正信 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (10130337)
稲波 修 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (10193559)
樋口 豪紀 酪農学園大学, 獣医学部, 講師 (00305905)
桑原 幹典 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10002081)
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研究概要 |
牛白血球粘着不全症(BLAD)の病態と生体防御機構について検討し以下の成績を得た。 (1)BLAD-好中球膜上の接着分子L-selectinは低発現であり,その情報伝達および関連した活性酸素の生成を確認した。 (2)BLAD-好中球の細胞傷害活性(NK)は,正常のそれに比較して有意に低値であったが,抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)は,むしろ増加していることを示した。免疫グロブリンIgG-Fc受容体を介するADCCはBLAD好中球で代償的に増高する可能性を示した。 (3)ESRおよびスピントラップ法で好中球の活性酸素種を検索した。O_2^-は好中球のファゴソーム内において産生され,OHは細胞外で産生されることが示唆された。トラップ試薬DEPMPOについても検討した。 (4)好中球のF-アクチンとNADPH酵素活性化の細胞内情報伝達系を検索する目的で,種々の阻害剤の影響を検討した。F-アクチンの形成はPI-3キナーゼに依存し,PKC,ERK,p38MAPK,[Ca^<2+>]に非依存性である。NAPPH酵素はPKCと[Ca^<2+>]^iの増加に強く依存している。 CD11b/CD18欠損のBLAD好中球の活性酵素生成機構の特徴を提示した。
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