研究分担者 |
樋口 豪紀 酪農学園大学, 獣医学部, 講師 (00305905)
桑原 幹典 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10002081)
稲波 修 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (10193559)
林 正信 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (10130337)
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研究概要 |
牛白血球粘着不全症(BLAD)の病態と生体防御修飾機構に関して,(1)サイトカイン(IL-1β,IL-6,IL8,GM-CSF)の定量およびその遺伝子発現,(2)CR3-FcR受容体の共刺激作用,(3)CD18欠損好中球のアポトーシスを検討し次の成績を得た。 (1)BLAD牛の血清サイトカイン動態:血清IL-1β濃度は,15.8〜321.7ng/mlにあり,最高値はIL-6のピークと一致した。IL-6濃度は,0.32〜27.9ng/mlであり,血清IgGの増加と関連した動きを示すように見受けられた。IL-1,IL-6,IL-8,GM-CSFの各mRNAは,対照牛に比較して発現増高を認めた。サイトカイン活性およびその遺伝子発現増高との関連性が示唆された。(2)CR3-FcR関連:疾患好中球においては,正常好中球に認められるCR3およびFcR刺激による共刺激作用が認められず,活性酸素生成,情報伝達およびチロシンリン酸化の低下を確認した。(3)アポトーシス:CD18欠損好中球のアポトーシス誘導は,対照牛に比較して遅延を認めたが,この現象は,生存率,細胞内シグナリング,およびアネキシンV発現の低下と連動していることを明らかにしえた。
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