研究課題/領域番号 |
11460150
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
阿久津 克己 茨城大学, 農学部, 教授 (10151002)
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研究分担者 |
中島 雅己 茨城大学, 農学部, 助手 (70301075)
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キーワード | Botrytis fabae / Cutinase 遺伝子 / Polygalacturnase遺伝子 / 侵入器官 / クローニング / 遺伝子構造 |
研究概要 |
ソラマメ赤色斑点病菌(B.fabae)におけるcutinaseとendopolygalacturnaseの侵入への関与を調べるために、これらの酵素遺伝子の単離および構造解析を試みた。B.cinereaのcutinase遺伝子をプローブとして得られたクローンは、全長2860bpからなり、存在する推定ORFは2つのイントロンを持ち、202個のアミノ酸で構成されていた。この配列内にはシグナルペプチドとcutinaseの触媒に関与するcatalytic triadと推定される配列が存在した。B.cinereaのcutinase遺伝子cutAとの相同性解析は、本クローンがcutAと相同な遺伝子であることが示唆したことから、今回単離した配列をB.fabaeのcutinase遺伝子と同定し、bfcutAと命名した。さらに、他の植物病原菌類のcutinase遺伝子との相同性解析から、Botrytis属菌のcutinase遺伝子の特異性が示唆された。一方、B.cinereaのendopolygalacturonase遺伝子をプローブとして得られたクローンは、イントロンを含まない380個のアミノ酸で構成され、その配列内にはシグナルペプチドとプロペプチド、およびN-glycosylationサイトの存在が予想された。この配列をB.cinereaのendopolygalacturonase遺伝子Bcpg1と比較したところ、DNA配列およびORF領域のアミノ酸配列において90%を越える相同性がみられたことから、本配列をB.fabaeのendopolygalacturonase遺伝子と同定し、bfpg1と命名した。さらに、他の病原菌類との相同性解析から、bfpg1はbfcutAとは異なりBotrytis属以外の菌とも高い相同性が認められた。
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