研究課題
基盤研究(B)
本研究では情報・通信技術を活用して生物圏からの多種多様な情報の取得方法の確立および得られた情報の高度利用に関する検討を加えた。1.生物圏における情報取得のための要素技術のひとつとしてGPS(Global Positioning Sistem)がある。本研究では、GPSを用いて森林内で位置取得が可能かどうかの検討から着手した。森林内では天空が樹冠に覆われていたり、周囲の樹木や地形の影響を受けたりしてGPS衛星の捕捉が困難な場合が多い。このような条件下でGPS測位がどの程度正確に行われるかについて検討を行い、森林内でも十分にGPSによる位置情報の取得が可能であることを明らかにした。この結果をもとにして、森林内での位置情報を利用した研究として、環境教育支援システムおよび林内放牧牛の行動調査をおこなった。2.環境教育支援システムとして、実世界と仮想世界から参加可能な分散仮想空間を構築し、GPSとPCを持った実世界での学習者の位置情報を分散仮想空間にネットワークを通して送り、この分散仮想空間を介して、実世界および仮想世界の双方の学習者がコミュニケーションを取りながら学習を行うシステムについて検討した。3.遠隔地から、森林の植生量などを推定する方法としてリモートセンシング技術があるが、近年高解像度のIKONOSデータの入手が可能となった。そこで、本研究では西表島周辺を撮影したIKONOSデータを用いて、同島に分布するマングローブ林の詳細な解析について検討した。本研究では、解像度1mのIKONOSデータを画像処理を用いることにより、マングローブの生息域の同定、マングローブの樹種の同定などについて検討を加えた。また、公開されている統計情報である、日本の2kmメッシュ土地利用データ(UNEP/GRID-つくば)および数値地形図(50mメッシュ標高:国土地理院)を利用した森林地域の変遷とその地形的特徴に関する検討を行った
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