研究概要 |
従来の形質転換効率から導入遺伝子のゲノムDNAへの組換え頻度を測定する際に、組換え頻度も低く、薬剤耐性遺伝子の発現量を含めた結果として測定されるため、純粋なDNA組換え反応頻度を検出することは困難であった。そこで、パーティクルガン-PCR法によるin vivo DNA組み換え測定法を開発し、高感度で細胞内でのDNA組換え反応を検出する必要がある。この方法では多コピーのターゲットDNAとプローブDNAを同時にパーティクルガン装置(既存)によってタバコ培養細胞BY-2に直接導入し、細胞内でターゲットDNAとプローブDNAのDNA組換え体を形成させ、細胞から全DNAを抽出し、あらかじめ^<32>Pで放射能ラベルしたDNA組換え体を特異的に増幅するプライマー(^<32>PラベルしたP1とP2プライマー)によって定量的PCRを行い、DNA増幅を行う。得られたDNA産物を、シークエンス用ゲルによって電気泳動分離し、バンドの濃さを画像解析装置によって定量解析を行うことによって、プローブDNAのターゲットDNAへの挿入位置およびその頻度を測定する。 ターゲットDNAとしてタバコBY-2細胞形質転換体の導入遺伝子組込みjunction領域のSAR DNA(TJ1、500bp)、人工的に合成したAT-rich DNA(125bp)、湾曲構造を持つDNA(125bP)など(Tanaka et al.,J.Biochem.113,568-572,1993)のDNA組換え頻度が高まると考えられるDNA断片を含む1000bpのDNAを構築した。また、プローブDNAとして任意の塩基配列を持ったDNA(ラムダファージDNAからAまたはTを4bp以上連続しないDNA断片42、100、200bp)をクローニングし、パーティクルガン-PCR法によるin vivo DNA組み換え測定法を行う上で必要なDNAフラグメントを調製した。現在、in vivoにおけるDNA組換え頻度を調べる段階になっている。
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